投稿日:2007-12-10 Mon
じつは地球温暖化の問題を含めた持続可能な社会を目指すことは、人類最大のチャレンジであると同時に、大きな可能性を秘めたチャンスだと思っています。この問題を真に解決するためには、経済システムや社会システム、教育システムなどを全世界の視点で、未来に向けどのように再構築していくかが問われるため、大きな価値観やライフスタイルの変革が必要となります。
それらは個人の努力だけでは不可能で、個人、家庭、企業、地域、国が有機的につながり、そして、立ち向かっていくことで、解決の糸口が見えてくると思っています。
一人一人のちょっとした行動の変化は、積もり積もれば革新的な新技術や新製品に匹敵する大きな効果を生む可能性があります。
その大きな効果を生むちょっとした変化は、生活や仕事場の日常のなかでコツコツと培われていくと思います。
「悔いるよりも、今日直ちに決意して、
仕事を始め技術をためすべきである。
何も着手に年齢の早い晩い(おそい)は
問題にならない」
『講孟箚記(上)』、吉田松陰、
オグ・マンディーノも、「『今すぐ出発する』これが答えである」と述べています。
明日やろうは、馬鹿やろうですね。
ただちに、本気で、行動を起こせば、何時であろうと必ず間に合うはずです。
マラソンランナーの谷川真理さんも、OL時代に皇居周辺でランチにでかけ、皇居の周りでお昼休みにジョギングをしている人を初めて目にし、「明日からマラソンしよう」と決め、世界的なランナーになったそうです。
人の覚悟の力というのは素晴らしいですね。
決意し、覚悟し、信じて、行動する。
目標策定もいいですが、すぐやることが大事。
悲観している場合ではありません。
世界で温暖化防止に向けた草の根運動は確実に広がっているのですから。
ゴア氏、温暖化交渉「楽観視」 ノーベル授賞前に会見
地球温暖化対策への取り組みが評価され、今年のノーベル平和賞の受賞が決まったゴア前米副大統領(59)が9日、ノルウェーの首都オスロのノーベル研究所で記者会見し、難航が伝えられる気候変動枠組み条約をめぐる交渉などの行方を「楽観視している」と述べた。
同条約の締約国会合はインドネシア・バリ島で開催中で、各国の利害対立を解く道筋は見えていないが、ゴア氏は米国を含め世界で温暖化防止に向けた草の根運動が拡大しているとし、悲観的見方を退けた。
平和賞授賞式はオスロ市庁舎で10日午後(日本時間同日夜)行われる。
ゴア氏は人類が大量の温室効果ガスを排出し続けることができないことは「明確になっている」と述べ、早急な対策の必要性を訴えた。
平和賞は国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」も共同受賞。会見に同席したIPCCのパチャウリ議長は、温暖化の原因が人類の活動にあることは科学的に決着済みとの立場を示し、議論ではなく「行動する時だ」と訴えた。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/108732/
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投稿日:2007-12-09 Sun
廃家電のリサイクルの問題は、実際に行うための仕組みをいろいろと考えてみても、これならば完全だという方法はないように思えます。しかし、現時点で何もやらないよりは、何か行動をすべきであるため、制度を改正することは必要かもしれない。
最も重要なことは、リサイクル法を変えるのではなく、大量消費型の生活スタイルを変えて、修理して使いつづけるためのシステム、「作り手」と「使い手」をつなぐ仕組みだと思います。
使い手の意識や具体的行動は特に重要で、環境に対する意識を持ってもらうにためには、知識を幾ら伝達するだけでなく、ある種の体験をしてもらいながら、次を考えることが必要ですね。
また、廃家電製品に残存する正の価値、それは、資源として見たときにどのような価値があるのか、廃棄物として見たときにどのような性格のものなのか、有害物として見たときには、どうか、といった観点をよく考える必要があると思います。
循環型社会を構築するためにどんな仕組みが必要かなど、各主体(政府、メーカ、販売店、ユーザーなど)が責任と実感を持って考え・取り組んでいくこと、これこそが持続可能な社会といえるのではないでしょうか。
家電リサイクル制度見直しで最終報告 先行き懸念も
経済産業省と環境省の合同審議会は10日、家電リサイクル制度の見直しについての最終報告を正式にまとめた。低迷するリサイクル率を引き上げるため、不法投棄の隠れみのになっている中古品販売にガイドラインを設けるなど規制を強化する。両省は来年以降、報告書の内容を順次実施していくが、家電量販店などによる不適正処理が相次いでいるだけに、審議会のメンバーからは早くも先行きを懸念する声が出ている。
使わなくなったテレビや洗濯機などを回収して原材料を再利用する同制度は、新製品を家庭に運搬する家電量販店などに回収を求めている。買い替え時に家電製品を廃棄するケースが多いためで、量販店などは消費者から受け取ったリサイクル料とともにリサイクル製品を家電メーカーに引き渡す。
しかし、今年に入ってからリサイクル製品が盗難されるなどして、メーカーに渡っていないケースが相次いで発覚。両省による家電量販店などへの勧告・厳重注意処分は今年度だけで4件にのぼった。
経産省は5日、「制度を揺るがす事態」として、大手家電量販店などにリサイクル製品のコンピューター管理を徹底するよう要請。販売店の管理状況をチェックすることも決めたが、全国には約4万もの小規模販売店があり、監視の目がどこまで届くかは不透明だ。
リサイクル制度の“穴”は、販売店による管理の不徹底だけではない。リサイクルに回す製品と、中古品販売に回す製品との境界があいまいなことにもある。家電量販店などがリサイクルに回さなければならない製品は、消費者からリサイクル料金を徴収した製品に限られるため、家電量販店は自ら引き取った製品を中古販売に回すことができる。この制度が悪用され、不法投棄されるケースがあるとみられ、最終報告は中古品販売用に引き取ることができる製品のガイドライン作成を要請。「使用年数6年以内」などとすることを検討する。
最終報告ではリサイクル対象品目の増加も求めたが、合同審議会の委員からは「ガイドラインが浸透しなければ制度自体が崩壊しかねない」との声が聞かれた。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/108832/
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投稿日:2007-12-07 Fri
いつも思うのですが、まず実行できる範囲で動き、修正を重ねて制度を安定させるのが英国やEU流の凄いところです。日本とは違います。存在感を試す好機になる今回のインドネシア・バリ島で開催されている気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)ですが、この及び腰では日本は「ポスト京都」の枠組み作りの環境外交での先手を打てませんね。
英国やEUの凄さは制度だけではなく、まず枠組み、目標値を打ち出し、国際社会を引きつけ、調整しながら、世界標準にしていく流れです。
そんな外交戦術に欧州のもつ本当のしたたかさが浮かび上がります。
一方、日本は排出権取引制度の導入などの環境政策でも関係省庁やその関連の有識者が対立し後手にまわっている状況です。
議長案が、先進国に温暖化ガスの厳しい排出削減を求めたのは、過去に大量の温暖化ガスを排出した先進国の責任を明確にするためです。
そしてEUは、先進国が率先して削減を進めれば、経済発展が著しく排出量が増える中国やインドをはじめ発展途上国からも、次期枠組み(ポスト京都議定書)への協力が得られると考えている。
率先して世界を巻き込む方針とその覚悟がなければ、このまま数値目標を避けている日米は苦しい立場になると思います。
「数字をポンと出してもねえ」 官房長官会見詳報
町村信孝官房長官は10日の記者会見で、インドネシア・バリ島で開催されている気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)について、「(温室効果ガスの)主要排出国すべてが参加する枠組みを作った上で、中身を詰めていくアプローチが適切だ。率直に言って(温室効果ガスを)何パーセント削減するかでは話はまとまらないと思う」と、非公式会合の共同議長が先進国が温室効果ガスの排出を25−40%削減する案を示していることに否定的な見解を示した。会見詳細は以下の通り。
【新テロ対策特別措置法案】
−−週末の日本テレビの世論調査でテロ対策新法の衆院での再議決について41%が支持、41.49%が不支持という結果になった。この数字への感想は
「感想? うん。特にありません」
−−一方で、給油を続けるべきが47%で、続けるべきではないが40%という数字が出ている。これはいかがか
「これは比較的最近のですね、10月上旬ぐらいからの傾向ですね」
【環境】
−−あすで京都議定書が出されてから10年になるが、今後、京都議定書以降の国際的な枠組み作りに日本がどのような指導力を発揮するか。あるいは京都議定書についても、国内での数値目標の達成がなかなか困難だという指摘があるが、どのように目標を達成していくか
「京都議定書は、まさに京都でそれが決まったということもあり、その目標達成というのは累次の達成計画というものを作り、それを実行してきているわけですから、どうしても達成したいと思います。ただ、もとよりですね、ある意味では世界一、省エネが進んでいた日本と、非常にゆとりのある状態でスタートした、いくつかの国とが同じスタートラインに立つのはしょせん無理があったという部分はあるんですよね。客観的に見て。ただ、そんなことを今ごろ言ってもしょうがありませんので、日本としてはまず京都議定書に定める目標達成計画がしっかりと実行しておく、達成していきたいと、こう思っております」
「で、それを踏まえながら新しい計画作りというのでしょうか、目標を作り、それを実行していくというのがまさに今、バリで議論されているわけでございます。あのー、日本の長期戦略の骨子といいましょうか、安倍内閣のもとで出された美しい星50、これは私は相当世界的にも評価されておりますし、世界的にその日本提案というのはよく知られてきているところでありますし、そういう意味で、日本がこれまでのところ、しっかりとしたイニシアチブを取ってきていると、こう思っております」
「現実的に考えても、日本の最も優れた省エネ技術などはですね、これからまさに世界に移転をされ、それによってCO2の排出量などが減っていくと、減らしていくということが非常に期待をされているわけですので、そういう意味での技術的な先進性というものを生かしながら、国際社会の中でリーダーシップをとっていく。それがまさに1つの区切りと言いましょうかね、これからいろいろな国際会議があるでしょうけれども、1つの大きな節目というものが北海道洞爺湖サミットであると、こう思っております」
「今、バリ島では数字が議長のほうからたたき台として出されたと聞いております。日本はどうするんだということになるのかもしれませんが、最初から私は数字を出して、さあ、どうするんですかというやり方よりは、私ども日本が提案しているように、まず、すべての主要国が参加すると、抜け落ちたら意味がないんですから、まず参加をするというフレームワークを作ったうえで、その中でだんだん、だんだん、それは各国、利害が違いましょう。先進国、発展途上国、発展途上国の中でも大きな排出国、経済が伸びている中国、インドなど。また、それ以外の小さな国。本当に貧しい国。いろんな利害が錯綜(さくそう)してくるわけですから、そうしたものをですね、うまく包み込みながら、まず交渉を立ち上げ、みんなが参加するという前提で、だんだん中身を詰めていくというアプローチが私は適切なのではないかという日本は提案をしているわけでして、今回、その、何パーセントの削減がまとまらないと僕は思います。率直に言って。そのことはしかし、何ら後退ではなくて、みんなが参加するという、まず、そのスタートラインに一斉にみんなが着くということの重要性を飛び越えてですね、あまり数字のことにこだわりを持つということは、かえって結果がまずいのではないかと、こう私は考えています。どういうまとまり具合になるのか、これから鴨下環境大臣も陣頭指揮できっと行かれて、多くの国々と話し合い、議論をされるでしょうから、その結果を見守りたいと、こう思っております」
−−今の話を聞いていると、数値をまとめること自体に否定的な考えなのかと受けとめられるが
「バリ島で決めることは、です。出だしから数字をボンとぶつけて、さあ、どうだとやることは決していい結果を生まないということです」
【補正予算】
−−補正予算について規模が1.8兆円程度という報道があるが、事実関係は。当初いわれていたよりちょっと多いのかなという感じもするが、財政規律との関係上、どういうふうにご覧になっているのか
「あのー、補正についての基本的な考え方は財務大臣が述べておられますけれども、あのー、まず1つには、そのために、補正予算のために新たな国債発行を行わないという意味で、まず財政規律はしっかりそこで担保すると。その上で、当初よりは税収見通しが下回ってきているという現実を踏まえ、他方、節約というものをいろいろ出し、さらには、いろいろな形での入りの工夫をしてですね、やっているところであります。数字につきましては、今まだ予算のプロセスに、具体のプロセスに入っておりませんから、ここで数字を述べるわけにはまいりませんけれども、いろいろな工夫をして、緊急なニーズ、災害対策などであり、その他いろいろありますけれども、そうしたニーズにこたえていかなければいけないと思っております。そんなに、みなさん方が随分、小さいところから出発して、いま報道されている数字をみると、何かね、随分いい加減にふくらませているんじゃないかという、みなさん、印象を持っておられるのかもしれませんが、別に最初、小さいところから出発したわけでも何でもございません」
【薬害肝炎】
−−薬害肝炎の原告団が先週、総理に面会を求める書面を提出して、きょう夕方に官邸に来られるようだが、総理もしくは官房長官が実際に会う考えはないか
「大野副長官が対応されます」
−−2人が会わない理由は
「総理は、あのー、スリランカの大統領ですか、との会談などがございます。私もあらかじめの、いろいろなアポイントがあるものですから、おめにかかることはできません。いずにいたしましても、きょうの国会で総理が答弁しておられますように、木曜日でしたか。13日だったかな。高裁のほうか、大阪の高裁のほうから和解勧告が出ました。その結果をみて、また適切に判断、対応していきたいと、こう思っております」
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投稿日:2007-12-06 Thu
温暖化防止では、二酸化炭素(CO2)などの排出削減にインセンティブを与える制度づくりが重要です。排出削減に経済的価値を持たせる排出権取引はその有力な手段になるにもかかわらず、日本では経済産業省や日本経団連が自主行動計画にこだわり、削減義務を伴う排出権取引を拒んできています。
その結果、国内排出権市場の制度設計が放置され、削減の取り組みが十分に広がらないままになっているのが現状です。
京都議定書の目標達成の道のりが険しくなるなかで、産業界では約二十業種が自主行動計画の削減目標を積み増しました。
裏には経産省の行政指導がちらつきますが、排出権取引の方が透明性が高く合理的ではないでしょうか。
目標達成が危うい業界は中国などで排出権獲得に奔走しているますが、海外の排出権に頼るぐらいなら、国内で排出権市場を整備する方が賢明だと思われます。
米国では産業界も、努力した企業が報われる排出権取引の重要性を認め、有力企業が制度発足に動いています。
欧米の連携が進み、市場が一体化するようなら参加国は増えます。
日本も世界の流れを見据え、早急に排出権取引導入を決断すべきだと思います。
政府ができなければ、他の行政区で先行して行うこともできるので、今後はそれを仕掛けていきたいと考えています。(東京都が検討開始した環境税の導入のように)
排出量取引制度の法案可決 米上院委員会で初
米上院環境公共事業委員会は5日、温室効果ガス排出量の上限を企業に設定し、企業間で排出枠を売買する排出量取引制度を導入する「米気候安全保障法案」を11対8の賛成多数で可決した。
米議会の委員会で排出削減を義務付ける法案の可決は初めて。法制化にはさらに上下両院本会議での可決とブッシュ大統領の署名とが必要だが、強力な温暖化対策の導入に消極的なブッシュ政権にとって大きな圧力となりそうだ。
法案は電力会社や製造業など全米の排出量のほぼ8割を占める企業に二酸化炭素など温室効果ガスの排出量の上限を設定、国全体で2020年に05年比で19%、50年に同63%を削減する。
民主党系無所属のリーバーマン議員と共和党のウォーナー議員らの超党派グループが提案、実効性のある法案として環境保護団体も支持していた。ブッシュ大統領は温室効果ガスの削減義務付けに反対で、任期中の法制化は困難な状況だ。
この日の委員会では、法案に反対する共和党議員から、原子力発電所の拡大などの修正案が提案されたが、多数派の民主党議員らに退けられた。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/108028/
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投稿日:2007-12-01 Sat
中央環境審議会・産業構造審議会合同部会では予想通り平行線をたどりました。このような状況は予想できたのですが、いささか経済産業省と環境省の水面化の争いが垣間見えます。こいう時こそ、両省大臣と首相によるトップダウンが必要です。EUのようにまず実行できる範囲で動き、修正を重ねて制度を安定させることも必要ではないでしょうか。
気候変動防止では、二酸化炭素(CO2)などの排出削減にインセンティブを与える制度づくりが重要です。
排出削減に経済的価値を持たせる排出権取引はその有力な手段になるにもかかわらず、日本では経済産業省や日本経団連が自主行動計画にこだわり、削減義務を伴う排出権取引を拒んできています。
その結果、国内排出権市場の制度設計が放置され、削減の取り組みが十分に広がらないままになっているのが現状です。
京都議定書の目標達成の道のりが険しくなるなかで、産業界では約二十業種が自主行動計画の削減目標を積み増しました。
裏には経産省の行政指導がちらつきますが、排出権取引の方が透明性が高く合理的ではないでしょうか。
目標達成が危うい業界は中国などで排出権獲得に奔走しているますが、海外の排出権に頼るぐらいなら、国内で排出権市場を整備する方が賢明だと思われます。
米国では産業界も、努力した企業が報われる排出権取引の重要性を認め、有力企業が制度発足に動いています。
欧米の連携が進み、市場が一体化するようなら参加国は増えます。
日本も世界の流れを見据え、早急に排出権取引導入を決断すべきだと思います。
政府ができなければ、他の行政区で先行して行うこともできるので、今後はそれを仕掛けていきたいと考えています。
排出権取引、両論併記で最終報告へ 環境、経産両省
環境、経済産業両省は30日、地球温暖化対策を話し合う審議会合同会合を開き、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを排出できる権利(排出権)を取引する制度の導入の是非をめぐり、有識者のヒアリングを行ったうえで議論した。賛成派、反対派の主張は平行線をたどり、合同会合が12月中に取りまとめる最終報告書では、両論を併記する見通しとなった。
◆平行線
同日の合同会合では、諸富徹・京大准教授が「取引制度の導入によって、費用効率性の改善が可能なうえ、排出総量をコントロールできる」と主張した。
一方、山口光恒・東大特認教授は、排出権取引市場を導入した欧州連合(EU)で、天然ガスの価格が上昇し、電力業界が低コストの石炭に回帰したことを紹介。「日本の自主的目標の方が納得できる」と指摘。各委員からも導入論、不要論が噴出した。
とりわけ、産業界の反発は強く、報告書取りまとめまで1カ月を切るなかで合同会合として結論を出すことは困難な情勢となった。
◆経済統制を警戒
産業界では電力、鉄鋼業界を中心に削減不足分を、クリーン開発メカニズム(CDM)で補っている。CDMは京都議定書で定めた柔軟性措置(京都メカニズム)のひとつで、途上国で実施した温暖化ガス削減事業の成果の一部を排出権として購入する制度だ。
日本はCDMで1億トン(CO2換算)を超えるガスを購入。企業間で取引するケースも増えており、この日の会合でも「市場を設けた方が、取引がしやすくなる」との意見も出された。
それでも産業界が排出権取引制度の導入に反対するのは「市場を創設すれば、政府が企業にキャップ(排出上限)を設定することにつながり、行政による経済統制になる」との警戒感があるからだ。
また、EUでも排出枠をめぐり800件に上る訴訟が起きるなど「合理的なキャップの設定は不可能」との思いがある。産業界の反発が強いため、経産省幹部は議定書の約束期間である2012年までの制度導入は「難しい」としている。
◆米・EUで統合も
ただ、EUの排出権取引市場は、取引額が毎年増加しており、2005年に79億ドルだった総額は06年に243億ドルにまで増加している。
一方、米国では州レベルで独自の取引市場を創設する動きが相次いでいるうえ、カリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージーの3州などが、EUの市場との統合に動き出している。
このため、環境省からは「ブッシュ政権後に米国が一気にカジを切れば、日本だけが取り残される」と懸念する声も出ている。
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